パラレルワールド・ラブストーリーを観たお話
パラレルワールド・ラブストーリーを観てきました。
全体通して楽しかったです。
中盤過ぎくらいまで、適度にストレスが与えられて、それがほどけていく時、人の嫌な部分にも触れることになって、でもそれが綺麗に描かれることで愛しさを感じてしまう、なんとも禁忌的な心地よさでした
告知であった、謎解きっていう要素はあまり楽しめませんでしたが、それを補って余りある、人として生きていく、エゴイスティックな愛しさを感じる時間でした
※以下、ネタバレ含みまする※
まず感じたのが、バランスが良いなと。
玉森くんの内向きの力と、吉岡さんの受け取る力のパワーバランスが良くて、二人の関係値が、世界を行き来しても違和感なく見れましたし、
染谷さんや玉森くんの、中盤から後半にかけての、自分の大切な部分を守ろうとすればするほど、もっと大切なものを壊しそうになってしまう、ギリギリなお芝居の感じも、怒り慣れてない人ってこんな感じなんだろうな、と感じられて、心穏やかに見れました(←いい意味でね!
豪華キャスト陣集結とかって、よくわからない基準で客寄せしようとするよりは、よっぽど作品のためのキャスティングで良かったと思いますよ。
(決してそういう映画が悪いわけじゃなくて、そういう頭の悪い宣伝の仕方が嫌ってだけですよ♡)
あと、麻由子が適度にクズでした。いるよね、こういう子!って感じで、崇とのラブシーンまでの流れとか、お前、それどうなんだー!ってツッコミながら見てしまいました。さすが東野先生。(褒め言葉です!
時系列に麻由子のやったこと並べると、なかなかの悪女だと思うんですよ。
1、電車で崇とすれ違います
(目をそらすシーン、あざといですが、まぁ良いです)
↓
2、智彦と出会って付き合います(別に問題なし)
↓
3、崇にアプローチされて拒絶してたのに最終的にねます(え?)
↓
(この間、智彦が倫理的に問題のある研究をしているのを疑問を持ちながらも見守ります。)(ここに関する麻由子の存在感の薄さ!)
↓
4、智彦の研究の資料を探し、崇の監視をするため、
崇と偽の恋人としての生活を送ります(神経図太いな)
↓
5、崇が記憶を戻したら、私たち間違ってた、みたいな雰囲気出して、
全てなかったことにする。(「私たち」って言っちゃう?)
ざっと並べただけでも、もうちょっと君がなんとかできたところってあるんじゃないかな、って感じません?
彼女も、智彦も崇も、本当の意味で自分を好きでいてくれてるのか不安もあったとは思うんですけど、にしても、もうちょっとやり方あったでしょーって気持ちでした。
(映画、1回しか見てないので、間違っているところあったらごめんちゃい)
あと、1個私が感じたのは、結局、麻由子は二人とものことをそこまで好きじゃなかったんじゃないかなと思いました。
智彦に関しては好きと言うより憧れ、崇は寂しさを埋める相手としてしか見てなかったんじゃないかと。
本当に智彦のことを愛していれば、崇に期待を持たせるような素振りはせずに、智彦を不安にさせないように立ち振舞えると思うし、研究のことも、話が大きくなる前に倫理的にどうなのって話もできたと思います。
崇に関しても、本当に好きなら、崇と関係を持った段階で、自分の口で智彦に話をするべきだったと思うんですよ。
なんか、もう、全編通して、麻由子の実像が掴めないまま、亡霊みたいな感じで、身近にこんな子いたら、女子会の絶好の話題の的になりますよ。メシウマですよ。
まぁ、上遠野先生に言わせれば、好きなんて感情に理由はなくて、自らの口で語る理由は全て後付けらしいので、そう言う意味では麻由子は間違ってないんでしょうけど。(急な上遠野先生。)
あと、作品通してですが、音楽とか効果音とかを極力減らしていて、すごく見やすかったです。
これは、好みが分かれると思うんですが、無理やり、見ている感情を煽るような音楽のつけ方をしてなくて、私は自分の感情のまま見ることができました
(私、あまり感情の起伏がない人なので、無理やり盛り上げられたりすると、疲れちゃうんですよね)
全編通して、心地よく見れました。
1点、難癖を付けるとしたら。。。
記憶を書き換える装置、おシャレにならなかったかな?ってところですかね。
一昔前のSFに出てきそうな頭からかぶるタイプで、ちょっと笑っちゃいそうになりました。
(多分、リアルに作ると、MRIみたいな機械になる気がするんですよね。座っている状態って、意外と人の体って安定しないと思うので。)
散々リアルを積み重ねてきてたので、急にチープな世界観になってびっくりしてしまいました。
それ以外は、思ってたより、全然良かったです。
2回目を見に行くかはわかりませんが、1回は見ておいて良かったです。
さ、どっかのタイミングでピカチュウ見に行かないとなー